7月の一皿とワイン。

小夏のみぎり、陽射しに夏の気配が色濃く感じられる頃となりました。
本格的な暑さを前に、食材たちも夏の装いへと衣替えを始めています。
初夏の恵みが、テーブルに彩りと涼を添えてくれる季節の訪れです。
今月はそんな時期にぴったりなワイルドかつ爽やかな一皿をご紹介します。
「コチの炭火焼きとヤングコーン
シチリア伝統の爽やかな”サルモリッリオ”ソース」
夏の白身魚・コチを炭火焼きにし、その上品な身質にワイルドな香りを纏わせ、
皮ごとローストしたヤングコーンと共に盛り付けました。
甘み豊かなトウモロコシのピュレを忍ばせ、
仕上げにシチリアの伝統〝サルモリッリオソース〟をひとさじ。
レモンやハーブの香りが立ち上がる、夏の情景を閉じ込めた一皿です。
是非お召し上がりください。
Chef, EGUCHI
今回は、先日も大噴火を起こし話題に事欠かない
シチリア島エトナ山麓で造られる
2016 "Passobianco" , Passopisciaro
のご紹介です。
1900年後半トスカーナやピエモンテばかりが注目を集め
ブドウ栽培で古い歴史をもつエトナですが、
さほど注目されておりませんでした。
鬼才と言われた 故アンドレア・フランケッティ氏が
エトナに畑を購入したのは2000年、まさに先見の明と言えます。
今やエトナは、有名な造り手がこぞって畑を購入しようと
イタリア中でも一番ホットな地域となっており
そのエトナを一躍有名産地にした、まさにパイオニア的存在と言えます。
エトナの白葡萄と言えば、カリッカンテでありますが
標高1000mの有名な区画”グアルディオーラ”にあえてシャルドネを植樹
ピエモンテやトスカーナ、他のシチリアのシャルドネと
全く違うキャラクターのワインで
何と言っても、火山灰や溶岩を含む土壌からのミネラル感が特徴と言えます。
若いうちはオレンジや柑橘の香りがありはっきりとした
ミネラル感を感じるワインですが
甘みを感じさせる果実味をアフターでミネラル感が
心地良い余韻へ纏め上げてくれます。
レモンの酸味を利かしたソースをしっかり受け止め
炭火焼きにしたコチとヤングコーンの甘みを
ワインの程よい熟成感が更に深い味わいへと相乗させてくれます。
今月も
皆様の、ご来店お待ちしております!!
Sommelier, TABUCI